アルム株式会社とは|金沢のAI工作機械・売上・上場を解説

AI対話型の工作機械で職人不足を解決するイメージ
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「熟練の職人がいなくても、AIと会話するだけで金属部品を加工できる」——そんな工作機械をつくっているのが、石川県金沢市のアルム株式会社です。社員は約40人ながら売上は約80億円と報じられ、日本マイクロソフトや神戸製鋼所、京セラなどとの連携でも注目されています。この記事では、アルムの技術と最新の動き、売上や上場の有無まで、2026年10月時点の公式情報と報道をもとにまとめます。

ご注意:この記事は、石川県金沢市のアルム株式会社(ARUM Inc.)の解説です。医療ICTなどの事業を行う東京の「株式会社アルム」とは別の会社です。

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アルム株式会社とは|金沢発、製造業AIの会社

アルム株式会社は、2006年に石川県白山市で創業した会社です。もともとは自動車や半導体向けの自動化装置をつくる下請け企業でしたが、中小の製造業で技術者が足りないことを目の当たりにして、製造AIソフト「ARUMCODE」と完全自動の工作機械「TTMC」を自社製品として開発しました。

社名 アルム株式会社(ARUM Inc.)
設立 2006年8月
本社 石川県金沢市戸水1丁目61番地
代表 平山 京幸(CEO)
資本金 8億783万円(資本準備金などを含む)
従業員 約40人
売上・利益 売上高約80億円、純利益約30億円(マイナビニュース、2026年4月)
上場 未上場
主な製品 ARUMCODE(NCプログラム自動作成AI)、TTMC(完全自動の切削加工機)、ARUM Factory365(月額制クラウド)
関連会社 MMOP株式会社(秋田県。旧オーエスイー。超精密部品加工)

出典:アルム株式会社 会社情報(資本金・設立・所在地)、マイナビニュース「熟練工不足をどう克服するか?アルムの完全自動マシニングセンターと製造AI戦略」(売上・純利益)、Microsoft Source Asia(従業員数)、PR TIMES(アルム)(未上場)(2026年10月17日確認)。従業員数は、東洋経済オンラインでは38人と紹介されています。

アルムの歩み

年 できごと
2006年 石川県白山市でアルム・ワークスとして創業
2017年 アルム株式会社に社名変更し、金沢市戸水に本社を移転
2021年 製造AI「ARUMCODE1」をリリース
2022年 CEATEC AWARD デジタル大臣賞、起業家万博 総務大臣賞、Japan Venture Awards 中小機構理事長賞などを受賞
2024年 TTMCの販売を開始。5月に第三者割当増資で7.6億円を調達
2025年5月 スギノマシンとの共同開発に基づき、TTMCの量産機を発売
2026年 1月:日本マイクロソフトと「TTMC Origin」の開発で技術協力/3月:神戸製鋼所と「ARUMCODE4」の共同開発に合意/8月:「製造AIXアベンジャーズ」を発表

出典:アルム 沿革、アルム お知らせ(ニュース)、PR TIMES「アルム株式会社が総額7.6億円の資金調達を実施」(2024年5月20日)

ARUMCODE|NCプログラム作成を「最大1〜2時間→3分」に

工作機械で金属部品を削り出すには、「どの工具で・どんな速度で・どの経路を削るか」を指示するNCプログラムが必要です。これまでは熟練の技術者が、図面1枚あたり最大1〜2時間かけて作っていました。

ARUMCODEは、AIが図面を解析して、NCプログラム・見積書・作業指示書を自動で作るソフトウェアです。アルムは、これまで最大1〜2時間かかっていた作業を、人手をかけずに3分で終えられると説明しています。NCプログラム作成は製造原価の50%以上を占めると言われ、この作業を自動化して、人手不足の解消とコスト削減を目指しています。ARUMCODEは、国内の250社で導入されていると報じられています(マイナビニュース、2026年4月)。

月額制のクラウドサービス「ARUM Factory365」では、ARUMCODEシリーズのアプリを使えます。料金プランは公式サイトの料金ページで確認してください。

出典:PR TIMES(アルム)2024年5月20日、マイナビニュース

TTMC|図面を入れるだけで加工する完全自動の工作機械

TTMCは、ARUMCODEを搭載して、切削加工の全12工程を完全自動化した工作機械です。図面(3Dデータ)から工程の設計とNCプログラムの作成まで進み、ロボットが工具や素材の段取りも行います。経験の浅い作業者でも扱えることを目指して作られています。

価格 1台 約3億3,000万円(CEOの説明)
販売開始 2024年。2025年5月に量産機を発売(スギノマシンとの共同開発)
導入 約40社(2026年4月)。2026年末に国内100社の導入を予定
海外 米国と韓国への輸出を計画

導入の例としては、富山市の田中精密工業が、TTMCの「Type-F5 Sモデル」を自社工場に入れて、工場を情報発信の場として使う取り組みを2025年9月に発表しています。機種の詳細は公式サイト(TTMC Type-F5 Sモデル)で確認できます。

出典:Microsoft Source Asia(価格・12工程)、マイナビニュース(導入・海外)、アルム お知らせ(量産機発売・田中精密工業)

KAYA・TTMC Origin|AIと会話して加工する次世代機

2026年1月、アルムは日本マイクロソフトと協力して、次世代の工作機械「TTMC Origin」の開発を進めると発表しました。この機械に載せるのが、対話型のAI「KAYA」です。画面のAIキャラクターと音声で会話しながら、ドリルの交換や部品の置き直しといった手順を1ステップずつ案内してもらえます。

KAYAは、Azure Speech(音声の認識・応答)と、Azure OpenAIの大規模言語モデルを土台に作られています。マイクロソフトの2026年の特集では、現在は「GPT-5」で動いていると紹介されています。「職人の暗黙知をAIに移して、経験の浅い人でも扱えるようにする」試みといえます。

対話型AI「KAYA」と会話しながら工作機械を操作するイメージ
KAYAと会話しながら工作機械を操作するイメージ(※AIによるイメージ画像です。実際の外観とは異なります)
想定本体価格 3,000万円(税抜)
予約受付 2026年7月に開始する予定と発表(2026年10月17日時点で、公式のお知らせに開始の告知は見つかりませんでした。最新は公式サイトで確認してください)
販売目標 初年度100台規模
海外展開 2027年以降、米国・韓国・インドから段階的に
アルム株式会社の海外展開(米国・韓国・インド)をイメージした図
海外展開のイメージ(※AIによるイメージ画像です)

出典:PR TIMES「アルム、日本マイクロソフトと協力し、Azure OpenAIを活用した次世代切削加工機『TTMC Origin』の開発を推進」(2026年1月28日)、Microsoft Source Asia、東洋経済オンライン

2026年の最新の動き|神戸製鋼所・京セラなど20社の連携

2026年は、大企業との連携が相次ぎました。

  • 神戸製鋼所と共同開発(3月):鋳造品・鍛造品の切削加工向けAI「ARUMCODE4」を共同で開発することに合意しました。
  • 北陸銀行の私募債(5月):北陸銀行を引受先とした第1回無担保社債(カーボンオフセット型の私募債)を発行しました。
  • 「製造AIXアベンジャーズ」(8月30日発表):日本の製造業約20社で、大型部品を完全自動で加工する「TTMC Type-M」「TTMC Type-L」を共同で開発するプロジェクトです。京セラ、神戸製鋼所、ニデックマシンツール、日本マイクロソフトなどが参加予定で、実施期間は2026年10月1日から2030年9月30日までです。

出典:アルム お知らせ、PR TIMES「アルム株式会社を中心に『製造AIXアベンジャーズ』が始動」(2026年8月30日)

7.6億円の資金調達|2024年5月

アルムは2024年5月20日、第三者割当増資で総額7.6億円を調達したと発表しました。リード投資家はDIMENSION株式会社で、9社が引き受けました。

  • DIMENSION株式会社(リード投資家)
  • 株式会社ジーネット
  • 東京センチュリー株式会社
  • 株式会社DG Daiwa Ventures
  • 新生企業投資株式会社
  • 株式会社ケイエスピー
  • ほくほくキャピタル株式会社
  • RheosCP1号投資事業有限責任組合
  • みずほキャピタル株式会社

集めた資金は、いまはフライス加工にしか対応していないARUMCODEとTTMCを、旋盤・研磨・鋳物の加工に広げることと、東南アジアを始めとした海外展開に使うと説明されています。なお、アルムは未上場の会社です。

出典:PR TIMES(アルム)2024年5月20日

テレビでも紹介|北陸朝日放送の特集

アルムは、北陸朝日放送(HAB)の公式チャンネルでも「社員38人の町工場が売上80億円」というテーマで紹介されました。工場の様子を見たい方は、こちらの動画が参考になります。

動画:北陸朝日放送(HAB)公式チャンネル「金沢の従業員38人の町工場がAI活用で売上80億!急成長のナゾに潜入」

職人不足に、AIはどう向き合うのか

日本の製造業や伝統工芸の現場では、担い手の高齢化と後継者不足が大きな課題になっています。長年の経験と勘に頼ってきた「匠の技」は、その人が引退すると失われてしまうおそれがあります。

アルムが目指すのは、熟練者の知識をAIに学ばせて、経験の浅い人でも高い精度の加工ができるようにすることです。「技術をどう次の世代に残すか」という問いは、山中漆器や高岡漆器のような北陸の伝統工芸が向き合っている課題とも、根っこは同じです。

よくある質問

アルム株式会社とは何をしている会社ですか?

石川県金沢市に本社を置く、製造業向けのAI・自動化の会社です。図面を読み込むだけでNCプログラムを自動で作るAIソフト「ARUMCODE」と、加工の全12工程を完全自動化する工作機械「TTMC」を開発・販売しています。2006年創業です。

ARUMCODEとはどんな技術ですか?

AIが図面を解析して、金属加工に必要なNCプログラムを自動で作るソフトウェアです。これまで最大1〜2時間かかっていた作業を、人手をかけずに3分ほどで終えられるとアルムは説明しています。NCプログラム作成は製造原価の50%以上を占めると言われ、この作業の自動化で人手不足の解消とコスト削減を目指しています。

TTMCとは何ですか?いくらですか?

ARUMCODEを搭載した、切削加工の全12工程を完全自動化する工作機械です。価格は1台約3億3,000万円で、2024年に販売を開始し、2026年4月時点で約40社に導入されたと報じられています。2025年5月には、スギノマシンとの共同開発に基づく量産機が発売されました。

KAYAとはどんなAIですか?

次世代の工作機械「TTMC Origin」に載せる、対話型のAIインターフェースです。作業者と音声で会話しながら、ドリルの交換や部品の再配置といった手順を1ステップずつ案内します。日本マイクロソフトの協力のもと、Azure Speechや大規模言語モデルを使って開発されています。

TTMC Originはいつ、いくらで発売されますか?

アルムは2026年1月に、想定本体価格3,000万円(税抜)、予約受付を2026年7月に始める予定、初年度100台規模の販売が目標と発表しました。2027年以降は、米国・韓国・インドから段階的に海外へ展開する計画です。最新の販売状況は公式サイトで確認してください。

アルム株式会社は上場していますか?

上場していません(未上場)。2024年5月に第三者割当増資で7.6億円を調達しており、投資家にはDIMENSION、東京センチュリー、みずほキャピタル、ほくほくキャピタルなどが名を連ねています。

売上や従業員数はどのくらいですか?

2026年4月のマイナビニュースによると、売上高は約80億円、純利益は約30億円です。従業員数は、マイクロソフトの2026年の特集では40人、東洋経済の記事では38人と紹介されています。

東京の「株式会社アルム」と同じ会社ですか?

別の会社です。この記事で扱うのは、石川県金沢市のアルム株式会社(英語名ARUM Inc.)です。医療ICTなどの事業を行う東京の株式会社アルムとは別の会社です。社名が似ているので、ご注意ください。

まとめ|アルム株式会社

どんな会社 石川県金沢市の製造AI・自動化の会社(2006年創業・未上場)
技術 ARUMCODE(NCプログラム自動作成)、TTMC(全12工程の完全自動加工)、KAYA(対話型AI)
規模 従業員約40人・売上約80億円・純利益約30億円
最新の動き 神戸製鋼所との共同開発、製造AIXアベンジャーズ(約20社の連携)、TTMC Originの予約・海外展開

アルムの技術は、業務の効率化にとどまらず、日本のものづくりが技術を次の世代へつなぐための新しい選択肢を示しています。伝統工芸が守ってきた「技を残す」という思いを、AIという現代の技術で実現しようとする挑戦から、今後も目が離せません。

日本のものづくりの「今」をもっと知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

※売上・導入数・価格などは、出典に記した時点の報道・公式発表にもとづきます。最新の情報はアルム公式サイトで確認してください。

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