お風呂上がりのお父さんが着ている、少し野暮ったい下着——そんなイメージを持っている人も多い「ステテコ」。しかし、実はその名前の由来は落語という日本の伝統芸能にあり、明治から続く長い歴史を持つ衣類です。そして今、ステテコは天然素材や独自の特許技術を使った「おしゃれな部屋着」として静かに進化を続けています。この記事では、ステテコの由来・歴史から、現代のこだわりブランドまで詳しく解説します。
ステテコとは|基本の定義
ステテコとは、膝下ほどの丈がある、薄手の生地で作られたゆったりとしたズボン状の衣類です。猿股(さるまた)や股引(ももひき)とは違い、生地の幅が広く肌に密着しないのが特徴で、主に夏場のズボン下・部屋着・湯上り着として使われてきました。
白い綿地やクレープ生地で作られることが多く、汗がズボンに直接つくのを防ぎ、ズボンの中の滑りを良くする実用的な役割も担っています。
語源|落語家「三遊亭円遊」の”ステテコ踊り”から生まれた名前
「ステテコ」という一風変わった名前は、明治13年頃、落語家の三遊亭円遊が由来とされています。円遊は高座で、着物の裾を尻からげにして白い半モモヒキをあらわにする踊りを披露し、これが「ステテコ踊り」と呼ばれ大流行しました。やがてこの踊りで見えていた下着そのものが「ステテコ」と呼ばれるようになったと伝えられています。
日本の伝統芸能である落語に由来する衣類の名前というのは、世界的に見てもかなり珍しいエピソードです。
時代とともに変化してきたステテコの役割
ステテコは誕生から140年以上、時代に合わせて役割を少しずつ変えてきました。
- 明治時代:着物や袴の下に穿く下着として誕生
- 洋装移行期以降:西洋衣装が主流になった後も、ズボン下・湯上り着として日常生活に根付く
- 昭和時代:「お風呂上がり、お父さんがビール片手にステテコ姿で夕涼み」という光景が、夏の風物詩として定着
- 平成〜令和:ユニクロ・GUなどがカラフルなレーヨン地や機能性素材のステテコを発売し、若い世代にも部屋着・パジャマとして再評価される
下着としての機能と、外出できるレベルの部屋着としての機能を兼ね備えている点は、ステテコが誕生した明治時代から変わらない大きな特徴です。

※AIによるイメージ画像です。
現代のステテコ|大手ブランドから、こだわりの専門メーカーまで
現在のステテコ市場は、大きく2つの方向性に分かれています。
ひとつは、ユニクロの「エアリズムステテコ」やGUなど、手頃な価格で気軽に取り入れられる大手ブランドの商品です。速乾性やひんやりとした肌触りなど、機能性素材を使った商品が人気を集めています。
もうひとつは、素材や生産工程そのものにこだわる専門メーカーの商品です。天然素材の風合いや、自社で開発した独自素材を使い、「良いものを長く使いたい」という層から支持されています。
株式会社アズ「ステテコドットコム」|創業約80年、自社工場一貫生産へのこだわり
専門メーカーの代表例のひとつが、大分県に自社工場を持つ株式会社アズが運営する「ステテコドットコム(steteco.com)」です。株式会社アズの創業は1938年と、80年以上の歴史を持つ老舗インナーメーカーです。
もともと同社の主力商品のひとつだったステテコですが、2000年代に入ると需要が年々減少し、経営は厳しい局面を迎えていました。この状況を打開しようと、2008年、「ステテコ文化の復旧と新たなる創造」を掲げて立ち上がったのが、社内プロジェクト「ステテコ研究所」です。武村桂佑常務取締役が中心となり、古くさいイメージのあったステテコを、現代的なデザインと素材で再構築するという、いわば起死回生の挑戦から「ステテコドットコム」は生まれました。
国内のインナーメーカーとしては珍しく、糸の企画開発から新素材の特許取得、縫製までを国内で一貫して行う体制を持っています。商品によっては、糸を作るところから仕上げまで、すべて自社工場内で完結しているのも特徴です。
また、ステテコドットコムのステテコは、単にトランクスを長くしただけの製品ではなく、江戸時代に端を発する日本の風土に適した伝統素材を使用。プリント柄には、国内外のテキスタイルデザイナーが手がけたオリジナルテキスタイルを採用しています。
注目のコラボ商品
ステテコドットコムは、他ブランド・産地とのコラボレーション商品にも積極的に取り組んでいます。
- URBAN RESEARCH「URBAN SENTO」別注シャツ:アーバンリサーチが2020年から東京・高円寺の老舗銭湯「小杉湯」とともに展開する「URBAN SENTO」プロジェクトにて、steteco.comとの別注半袖開襟シャツが登場しました。
- うなぎの寝床「MONPE」高島ちぢみコラボ:福岡・筑後地方の地域文化を発信する「うなぎの寝床」とのコラボレーションで、ステテコドットコムの高島ちぢみ生地を使った現代風のもんぺを展開。楽天市場やうなぎの寝床公式オンラインショップなど、複数の販路で取り扱われています。
単なる自社ブランドの枠を超え、他の産地・ブランドと組んだものづくりを行っている点も、ステテコドットコムの特徴のひとつです。
選ぶときのポイント|天然素材・特許素材にこだわる理由
ステテコを選ぶ際は、価格だけでなく素材にも注目すると失敗が少なくなります。
- 肌触り:天然素材(綿・麻など)は化学繊維に比べて肌あたりが柔らかく、蒸れにくい
- 通気性:夏の部屋着として使うなら、汗をしっかり吸って発散する素材が快適
- 耐久性:自社で糸から開発しているメーカーは、独自の耐久性・風合いを追求できる
ステテコドットコムのように新素材の特許を取得しているメーカーは、「着心地」と「機能性」を両立させるための技術投資を行っている点が、大量生産品との大きな違いです。
他ブランドとの違い|ユニクロ・グンゼと何が違う?
ステテコドットコムが選ばれている理由は、伝統的な「高島ちぢみ」を使った天然の清涼感と、部屋着としても外出着としても使えるデザイン性にあります。ユニクロやグンゼの量産型インナーとは、価格帯・素材・使われる場面が異なります。
| ブランド | 価格帯の目安 | 主な素材 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ステテコドットコム | 約3,300円〜8,000円台 | 綿100%(高島ちぢみ) | 伝統素材の肌触り。おしゃれな柄が多く、そのまま外出できるデザイン性・ギフト需要も高い |
| ユニクロ | 約1,000円〜1,500円 | ポリエステル(エアリズム等)・綿 | コスパと手軽さ。冷感・速乾性などの機能性素材やコラボ柄が強み |
| グンゼ | 約1,500円〜2,500円 | 綿混・レーヨン等 | 「ズボン下」としての実用性。下着専業ならではの吸汗・消臭機能 |
高島ちぢみとは、滋賀県高島市で江戸末期から200年以上続く伝統の綿ちぢみ生地です。緯糸に強い撚りをかけた糸を使うことで生地表面に「シボ」と呼ばれる凹凸が生まれ、肌への接触面積が少なくなることで、汗をかいてもベタつきにくい自然な涼しさが特徴です。糸を織り上げる工程から、シボを生み出す仕上げ加工まで、滋賀県高島市の職人の手作業で行われています。
また、ユニクロ・グンゼのステテコが「家の中だけの部屋着」「ズボンの下のインナー」という位置づけが強いのに対し、ステテコドットコムはポケット付きでTシャツと合わせるだけで近所へ出かけられる「ワンマイルウェア」としても使える点が異なります。

※AIによるイメージ画像です。
実際の口コミ・レビュー
ステテコドットコムを実際に購入して使用したブロガーのレビューでは、以下のような評価が見られます。
良かった点:「汗をかいても肌に張り付くことのない、いつもサラッとした爽やかな肌触りをキープしてくれる」「家でくつろいでいるそのままの格好でゴミ捨てやコンビニに行ける」「フロント開き仕様やダブルステッチの股部分補強など、肌着とは思えないほど頑丈で丁寧な縫製」といった声があります。
気になった点として「肌着と考えると少し高価」「丈が中途半端で合わせる靴が限定される」といった正直な意見も見られました。天然素材ならではの心地よさと引き換えに、価格や丈のクセは事前に理解しておくとよさそうです。
詳しいレビューはこちら:服地パイセンによるステテコドットコム徹底レビュー
また、ステテコドットコムはInstagram公式アカウント(@stetecocom)でも活発に情報発信しており、多くのフォロワーとコミュニティを築いています。
どんな人におすすめ?ギフトとしての需要も
こだわりのステテコは、以下のような人に向いています。
- 自宅でリラックスして過ごす時間を大切にしたい人
- 「着るとホッとする」という肌触りの良い部屋着を探している人
- 父の日・母の日など、ご両親への贈り物を探している人
特にギフト需要は季節性があり、初夏(母の日・父の日)と、冬物あたたかインナーが動く年末にかけて需要が高まる傾向があります。オリジナルパッケージで贈りやすく仕上げているブランドも多く、実用的でありながら特別感のあるプレゼントとして選ばれています。
高島ちぢみの肌触りや、こだわりのデザインが気になった方は、公式ショップ「ステテコドットコム」を覗いてみてください。
よくある質問
ステテコとは何ですか?
膝下ほどの丈がある、薄手の生地で作られたゆったりとしたズボン状の衣類です。猿股や股引と違い幅広で肌に密着せず、主に夏場のズボン下・部屋着・湯上り着として使われます。
ステテコの語源は何ですか?
明治13年頃、落語家の三遊亭円遊が高座で着物の裾をまくり上げて白い半モモヒキをあらわにする「ステテコ踊り」を披露したことに由来するといわれています。この踊りが大流行し、やがてこの下着自体が「ステテコ」と呼ばれるようになりました。
ステテコはいつから着られているのですか?
明治時代に、着物や袴の下に穿く下着として誕生しました。洋装が主流になった後もズボン下・湯上り着として生活に根付き、昭和には「お風呂上がりのお父さんがステテコ姿で夕涼み」という夏の風物詩として定着しました。
今のステテコは昔と何が違いますか?
かつては中高年向けの下着というイメージでしたが、近年はユニクロ・GUなどでカラフルなレーヨン地・エアリズム素材の商品が登場し、下着だけでなく部屋着・パジャマとして幅広い世代に人気です。天然素材や独自特許素材にこだわる専門ブランドも登場しています。
こだわりのステテコを選ぶならどこがおすすめですか?
自社工場で糸の開発から縫製まで一貫生産する国内メーカーがおすすめです。例えば株式会社アズが運営する「ステテコドットコム」は、創業約80年のインナーメーカーで、新素材の特許取得やオリジナルテキスタイルなど、素材へのこだわりが強い専門ブランドです。
まとめ|ステテコとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 語源 | 明治の落語家・三遊亭円遊の「ステテコ踊り」 |
| 誕生 | 明治時代、着物・袴の下に穿く下着として |
| 現代の位置づけ | 下着だけでなく、部屋着・パジャマとしても人気 |
| 選び方のポイント | 価格だけでなく、天然素材・特許素材などの品質に注目 |
お風呂上がりの実用品というイメージだったステテコは、素材や作り手にこだわって選ぶことで、日々の暮らしをちょっと豊かにしてくれるアイテムに変わります。歴史ある衣類を、現代の技術で見つめ直したブランドにも、ぜひ注目してみてください。
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